相談:
(39歳 女性)
つめていたものが取れてしまい通院中です。仮詰をしてもらった時から冷たいものが飛び上がるほどしみるようになり応急処置をしてもらいましたがまだしみます。先生は1mmも削っていないのにしみるのはおかしいと何度も言われました。そして本詰をした段階で「これでしみなくなるはずですが、もしまだしみるようであれば神経を抜かなくてはいけません」といわれたのですが、やはりしみるのです。
通院する前は、詰め物が取れた状態でも何ともなかったのに、治療してから具合が悪くなるなるのは納得できません。それと神経を抜くという事は、今後どういう影響があるのでしょうか。このまま今の先生に任せても大丈夫なのか不安です。
つめたものがとれた歯を削ると、しみるようになることはよくあります。つまり歯を削ることは歯にとっては大きな刺激になり無害ではないのです。外科手術のあとに痛むのと似ています。これを「外部力による侵襲」といいますが、歯を削るだけで歯の神経は「侵襲」を受けてしみるようになるわけです。
「1ミリも削っていないのにしみるのはおかしい」という担当医の意見は間違っていないかもしれませんが、削った深さや量だけでなく、あなたの歯がその時点で、すでに神経にかなりの炎症を起こしていて、削ったことが引き金になって一気に炎症が拡大したのでしょう。
歯の治療は髪の毛や爪を切るのと違い、歯や神経や周りの組織に決して無害ではないのです。外科手術の成功率が100%でないのと同じように歯の治療も詰めたり取れたりしているうちに、神経を取ったり、抜歯に至るケースもあるのです。(小学生のときに虫歯になり、つめたりとれたりを繰り返すと、およそ30年後、つまり40代で抜歯になるという報告もあります)
また、神経を取った歯は多少脆くなりますから(切った木が徐々に枯れていくのに似ています)できるだけ取らない方がよいのですが、歯の神経(歯髄:神経と血管)は幼弱な組織で、一度、大きな炎症をおこすと回復が難しく、取らざるをえないことが多いのも事実です。担当医とよく話し合って今後は納得のいく処置をしてもらいましょう。
医師に不信感をもたれる原因に、患者さん自身が医師から十分説明を聞いて納得していないことがあげられます。説明しない医師もいけませんが、患者さんもご自分の病気にもっと関心を持ち、疑問があればその場で医師に質問し納得するくらいの積極性が求められています。医療は受け身ではなく、医師と患者さんの二人三脚で取り組めば、よりよい治療効果があがると思いませんか?