相談:
(30歳 男性)
生まれつきのようですが、両耳の上部ややもみあげよりの箇所の小さな穴が開いていて時折臭いのある汁がしぼると出てきます。
子供の頃はクリーム状でしたが、大人になってからは水っぽい黄色の汁が出るようになりました。父は片耳だけですが、間違いなく遺伝のようです。一度ばい菌が入って腫れた為、切開したりもしました。かなり嫌な臭いですのでなんとかしたいのですが、やはり手術が必要でしょうか?
実際耳鼻科に受診してみてください。おそらくですが先天性耳ろう孔ではないでしょうか。
耳の回りの皮膚に小さな穴があいてて、そのまま過ごされる場合もあれば感染を起こしてそこが膨れたり痛くなることがあります。こういう疾患をいいます。
原因ですが母親の胎内の発生の過程で、耳たぶとその周囲は6つの原器が合わさって出来るのですが、ときどき完全に閉鎖せずに発生を終えて、そのまま出産する場合、この閉鎖しない部分が先天性耳瘻孔として、穴として残ります。けっこう多いのですが治療の対象になるのは要するにこれが感染するかしないかなのですね。しかも瘻は単純な穴から複雑に迷路のように皮下とか結合組織に入り込んで長くなってる人から様々です。できる位置とか長さも人によって違います。
この先天性耳瘻孔をもってる方はけっこうパーセンテージにして多いのです。遺伝形式は解っていませんが、家族でも多い家系はあります。だからといっても問題にはならないでしょう。小さなものから含めると100人に数人はもってるといいます。
ただ病気として扱うかどうかは『感染するかしないか』穴からウミが出るかどうか何です。まず一般的に、この穴に感染を起こすとそこが腫れたり、痛みを帯びたりそこから膿が出たりします。こういう時には下手にいじらずに、耳鼻科、もしくは形成外科へ受診なさってください。たいてい耳鼻科でも、其の際抗生物質を投与すると大抵一旦はウミは治ります。こうやって手術しないまま一生を過ごす人もいます。だからどういう町の耳鼻科でも一応(もちろん形成外科でも)手術すべきかは判断可能なので一応行かれて見たら(この際は耳鼻科でも形成外科でもいいでしょう。そこから手術対象なら紹介してくださると思います)手術適応としては『穴があいてるだけでは手術になりません』のですね。要するに年に何度もこういった感染を起こす人で(けっこう子供に多いけど大人にもあります)困られる方が手術適応です。やはり保存的に治療するより『先天性耳瘻孔ごとごっそりとってしまう』方がいいと主治医の先生がご判断(あるいはご本人がご希望)した場合です。で手術は形成外科か耳鼻科で行いますが、そういうわけでいろいろなパターンがあるのです。この状態を(できたら膿が出てる状態で)実際形成外科や耳鼻科へ行かれて診察医の先生に見て頂いてご判断を仰がれることが大切ではないかなと思います。
この救急の炎症の際は抗生物質と消炎鎮痛剤で一旦炎症を止めた方がいいので一応形成外科や一般耳鼻科で応急処置(投薬)はしてくださるでしょう。先天性耳瘻孔は実は穴ですが、そのまま感染のときは実際抗生物質だけで押さえてて、感染してないとき手術して除く場合が多いのですが、感染してるとき、余計にいじくったり何度も切開すると患部が回りに癒着して、手術で取り除く時に難しくなり、こういった方には『感染の時はなるべく触らずに耳鼻科にいらして適切な指示を仰いでください。』と言っています。外科で切開をされる方もいますが。この疾患は切開は上の理由でしていただきたくない疾患です。なお手術については耳鼻科もしくは形成外科で今後の事を相談されたらいいと思っています。今から感染しないこともあります。手術は何度もこういった感染を繰り返し困っている場合によるのです。