相談:
(26歳 女性)
はじめまして、こんにちは。私は昨年12月にはじめて婦人科にかかりPCOS(もしくはPCO)との診断を受けています。今度、治療の為に低用量ピルを服用するか、今のまま毎月デュファストンとクロミッドを飲み続けるかを考えておくよう言われました。
私の状態にとって、低用量ピルの利点は何なのかと、デュファストンとクロミッドとの違いは何か、また副作用や身体への負担、甲状腺腫への影響、乳癌等の検診を受けずに服用を決めて良いのかどうかなど先生に質問したいです。
以下、状況説明を含め詳細を書きます。
何年も月経不順というかほとんど無月経状態で1年以上月経がない事も多く、昨年末に婦人科へかかりました。それまで甲状腺腫の検査の為、血液検査を受けておりましたがホルモンに以上はないと言われ安心しておりましたが、2ヵ月後にかかった婦人科ではホルモンバランスがひどく悪いといわれました。
ちなみにその2ヶ月間、パニック障害に似た症状(吐き気や動悸)でかかった内科で処方されたデパスを頓服で1日1T以内で飲んでいました。
内分泌科でも生理不順の為にデュファストンやクロミッドを処方されておりましたが、クロミッドの服用は月経5日目からではなくいつでも飲んでいいとの指示で、もちろん生理などの反応はありませんでした。1月にデュファストン(1日2錠)を服用し6日目服用中に出血があり服用中止。しかし一ヶ月後も体温は低体温のまま生理がなかったのでデュファストン(3錠7日間)と、月経5日目から5日間クロミッド(2t)を服用しました。
排卵が確認されていないので、次回月経時にクロミッド3錠を5日間試すことになっています。それ以降は、低用量ピルにするか、今のままで治療を行うか、どちらにしたいか言われています。これらの薬がどのように違ってどちらが身体に優しく、今の私にどちらが適しているのか分りません。その辺りのことをご説明いただきたく、また専門家からみて、必要な診断が抜けていたり注意すべき事がある場合は教えていただきたいと願っております。質問がいくつもになってしまいましたが、どうぞ宜しくお願い致します。
PCOS(多のう胞卵巣症候群)とは、卵巣の中に排卵しきれないような中途半端に発育した卵胞が複数存在している状態を指します。これを超音波所見で画像をみますとネックレスのように卵胞が連なって見えてきます。血液中の脳下垂体から分泌される2種類の性腺刺激ホルモン値をみますとFSH(卵胞刺激ホルモン)よりもLH(黄体化ホルモン)の方が高くなっています。卵巣からのホルモンも卵胞ホルモンのみで、排卵がみられていないことが多いため黄体ホルモンは分泌されていない状態を取ります。さらに、LH値が高くなっている背景を持っているためアンドロゲンという男性ホルモン分泌も上昇していることがあります。
ホルモン療法についてですが、2通りの方法が考えられます。その違いは挙児を望んでいる場合と、望んでいないという違いで選択されます。
望んでいる場合は、無月経の状態となっていることが多いので、先ずは、デュファストンといった黄体ホルモン剤を投与して、服用を中止して2-3日目頃に月経に似た出血が起きてきます。これを月経1日目と捉え、5日目からクロミッドという排卵誘発剤を5日間だけ服用します。その後、4-5日後に排卵が起きてくるのを待つという方法です。クロミッドはいつからでも服用してよいというのは聞き間違いではないかと考えるのですが、そのような服用法はお話しされていますようにあまり意味のないことなのです。それは、クロミッドが抗エストロゲン作用を有するもので服用することにより、卵巣を刺激して卵胞を発育させる脳下垂体からの性腺刺激ホルモンが、卵巣は反応して卵胞が発育してますよというエストロゲンの分泌を遮ってしまっておりますので、いつも以上に分泌量が増えてくるため卵巣は強く刺激を受けて卵胞は発育して排卵していくという機序を狙ったものなのです。
お子さんを望まれていない場合は、低用量ピルの服用が考えられます。それはピルに含まれるエストロゲン(卵胞ホルモン)と黄体ホルモンが脳下垂体に働きかけて、もう卵巣からの両ホルモンが十分に出ていますよという指令を能に働きかけて性腺刺激ホルモンの分泌を抑えてしまうのです。それと同時に子宮内膜の環境を両ホルモンによって整えてくれるのです。したがい、排卵は抑制されますが外からのホルモンによって子宮内膜などの環境は整えられてきますし、LHとFSHのバランスも落ち着いてくるようになります。
以上が、PCOSとそのためのホルモン療法の基本的考えです。未だ、分からないことがあれば遠慮なくおっしゃってくださいね。