相談:
(41歳 男性)
はじめまして。5才の娘についての相談です。乳児期からアトピー性皮膚炎があり、保湿剤、ステロイド外用剤などの治療歴があります。食物による症状の悪化は無いため特別な食事療法などは行っていません。3才頃までは掻きむしって、症状を悪化させたり、痒疹を合併したりとなかなか大変でした。
ここ1年は以前よりは掻きむしるようなことは少なくなり、四肢や体幹の皮診は落ち着いてきましたが、部分的に瘢痕のようになっています。現在、困っているのは瞼と額の症状です。いつもかさかさしているような状態で、ひどくなると発赤して皮膚がむくんだような状態になります。担当医からは毎回「顔へステロイド剤を使うと眼圧上昇などの副作用があるので本当は良くないんです。」と言われつづけておりますが、実際に窓口で処方される外用剤はいつもステロイドでした。このため、症状を治すことよりも副作用に対する不安が増していました。
このことについての不安を主治医に伝えたところ、免疫療法をしてみようかということになりましたが、この時も治療の副作用のことを聞いて不安になってしまい、以後通院をやめてしまいました。現在は保湿のためワセリンや非ステロイド系の軟膏を使用していますが、しばらくすると発赤がひどくなってくるため、リンデロンVGを4日→ロコイドを3日→中止、をいうような順序で使用して一旦は改善します。その後しばらくして悪化したらおなじようにステロイドを使用、というようなことが続いています。受診して直接相談すればいいのですが、実はこのように通院をやめてしまったのは2回目で、今後は私が子供を連れて受診しようと思っています。
長くなりましたが、今回お聞きしたいのは、瞼や顔にステロイド外用剤を使用すると稀に眼圧上昇や緑内障が発生するようですが、どの程度(期間、頻度、ステロイドの強さ)使用するとどの位の頻度で生じるのか、ということです。同じ質問を担当医にもしようと思っていますが、以前妻が質問した際は「そういうこともありますね。」程度の返答だっだそうです。さきに述べたように治療の際には「顔につけるのは良くないんだけど」といつも言っているとのことで、妻の不安は増すばかりです。愚痴っぽくなってしまいましたが、どうかよろしくお願いします。
顔面へのステロイド外用剤の使用で眼圧が上がることはほとんどありません。内服ではかなりの確率で眼圧上昇が認められるようですが、外用では気にする必要はありません。
実際、眼科ではアレルギー性結膜炎などでフルメトロン点眼などのステロイド点眼を処方しています。眼瞼へのステロイド外用剤の継続使用で眼圧が上昇し緑内障になったと言うような経験を私はもったことがありません。ただし、緑内障患者ではステロイド剤の使用を控えた方が良いのは言うまでもありません。
もしアトピー性皮膚炎であるのなら年齢的にもプロトピック軟膏の良い症例になると考えます。副作用のない薬はありません。しかし、副作用を怖がって薬の使用をためらうのはあまり勧められません。これは、別に医療に限らず言えることです。すべての人にカブレない化粧品はありません。しかし実際には多くの女性は化粧をしていますよね。副作用は使用していても実際には多くの場合未然に防ぐことができます。一部の薬を除いては副作用の発生頻度は非常に低いのが現実です。
たとえば、現在安全と考えられて使っておられる非ステロイド剤は、多くの皮膚科医が危険な薬と考えています。連用すると接触皮膚炎を起こすことが多く、皮膚炎を遷延化させる原因のひとつとなっています。なかでもブフェキサマクを主成分にするものはカブレやすいので有名です。主治医に症状を診せながらよく相談して治療するのが副作用を軽減させるもっとも良い治療法です。今回アドバイスできるのはこういったことになります。