相談:
(28歳 女性)
分かる範囲で、検査結果をお知らせします
7/22 HSTSH=0.01 FT4=4.35 FT3=14.13 GPT=75 GOT=44 プロパジール6錠2週間服用
8/11 HSTSH=0.01 FT4=1.48 FT3=4.19 GPT=100 GOT=50 プロパジール4錠1ヶ月服用
9/11 HSTSH=0.55 FT4=0.41 FT3=2.21 GPT=269 GOT=162 肝障害のためプロパジール中止
手術といわれ、ヨウ化カリウムを1週間服用
9/18 HSTSH=20.04 FT4=0.33 FT3=1.79 GPT=93 GOT=42
ここで病院を変わりました。これまでの経緯を見て、肝障害は、やはり、プロパジールのため。授乳中だが、メルカゾールを試してみる価値があるとの診断。ただ、低下症になっているので、1週間すべての薬をやめることに
9/26 HSTSH=0.51 FT4=0.86 FT3=5.27 GPT=29 GOT=33
出産による一過性のものではなくやはりバセドウ病と診断。メルカゾール2錠2週間服用することに。まだ次の検査まで、肝障害がでるかは分かりませんが、メルカゾールを服用するときの授乳の注意について教えてください。
先生には2錠ぐらいなら、授乳に影響は無いと言われ、服用後、時間を空けることなしでも授乳してよいといわれています。理由は、子供が、1歳になって離乳食も3回食になっているので、母乳がすべての栄養ではないためだそうです。それでも、少し、メルカゾールの影響が心配です。
メルカゾール服用後、8時間以上あければ安心といわれていますが、その8時間の間におっぱいにたまった母乳も大丈夫なのでしょうか?また、メルカゾールを飲んだら、何分後くらいから、母乳にメルカゾールの成分が出始め、そのピークは飲んだ後何時間後でしょうか?また、前の病院で1週間出され服用したヨウ化カリウムの為、メルカゾールが効きにくいかもしれないと言われましたがどうしてですか?ヨウ化カリウムを1週間服用しただけでも今後の甲状腺治療に永久に影響してきますか?教えてください。お願いします。
> 9/26 HSTSH=0.51 FT4=0.86 FT3=5.27 GPT=29 GOT=33
> 出産による一過性のものではなくやはりバセドウ病と診断。
この検査結果・経過からは、ただちにはバセドウ病と診断はできません。バセドウ病の可能性はありますが、診断を確定することはできません。血液検査で、TSHレセプター抗体 TRAb または 甲状腺刺激抗体 TSAb にいずれかが陽性であれば、ほぼ確実にバセドウ病と診断できます。TRAb も TSAb もいずれもが陰性の場合には、放射性ヨードを用いて、甲状腺ヨード摂取率およびシンチグラフィーを行い、甲状腺全体に(瀰漫性に)ヨードの取り込みがあり、ヨード摂取率が高値であれば、バセドウ病と診断されます。
繰り返しになりますが、これまでの検査結果のみでは、本当にバセドウ病なのか、出産後の一過性の甲状腺中毒症(=無痛性甲状腺炎)なのか、鑑別ができていないのです。
診断が確定していない状況で、抗甲状腺剤(メルカゾールやプロパジール)を投与するのは、奨められません。メルカゾールと授乳の問題ですが、メルカゾール3錠程度までならば、母乳育児は特に問題ないことがわかっていますので、あまり神経質になる必要はありません。海外の論文では、メルカゾール6錠まで、母乳育児が安全に行なえることが報告されています。
どうしても御心配ならば、授乳直後にメルカゾールを服用すれば、全く問題ありません。なお、プロパジールで肝障害が現われたことから、メルカゾールでも同様に肝障害が現れる可能性がありますので、十分注意が必要です。
先行するヨード治療によって抗甲状腺剤の効き目が悪くなるという、論文が過去に海外から出されてはいます。が、日本の場合にはもともとヨード過剰ですので、実際には、あまり変わらないと考えられています。ご心配には及びません。
ただし、バセドウ病かどうか、診断を確定することが先決です。診断を確定するためには、上述のような必要な検査を行なうべきです。