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授乳中にバセドウ病と診断されました。

相談: (28歳 女性)
初めまして。5月に、指先の震えに気づき、授乳中であるため空腹で、指が震えるのかと思っていたら、7月にたまたま測った脈拍が、110以上あったので、初めて近くの病院にいったところ、バセドウ病と診断を受けました。

現在、甲状腺ホルモンの数値は、標準に戻ったものの、肝機能障害を起こしているといわれ、薬は使えないのと、放射能治療は、若いので進められないといわれ、1〜2ヶ月以内の手術を勧められています。

まだ、発病して、3回しか受診をしていないので、私の甲状腺の数値などのデータもそろっていないのに、こんなにも早くに手術をしなくてはいけないのか教えてください。

今までの経緯や、データは下記の通りです。
1度目の受診(7/24)で、授乳中により、プロパジール6錠からはじめることになり、1ヵ月後に次の検診ということになりました。その時、GTP44と高めだけれど、バセドウ病の影響からかもしれないから、様子を見るといわれる。

2度目の受診(8/7)は、その2週間後。のどが赤くなったので、受診したところ、ただの風邪と判明。ただ、甲状腺の数値は、標準になっているので、プロパジールを4錠に減らすことになる。ただ、GTPが68と高くなっているので、肝臓のエコー検査を受けることになった。エコー検査の結果、肝臓は、腫れていない。脾臓が少し腫れている模様。B型肝炎や、C型肝炎でもない。プロパジールの影響かもしれないので、薬をいままでより2錠減らすことによりおさまるかもしれない。1ヵ月後まで、薬を4錠にし、様子を見るようにといわれる。

3回目の受診(9/11)。甲状腺の値は、標準値だったが、GTPが168とさらに上昇。このままプロパジールを出すことはできないし、メルカゾール二変えてもいいが、プロパジールで肝炎になっている以上、メルカゾールも同じく肝炎になるだろう。放射能治療も進められないので、1〜2ヶ月以内の手術を勧められる。とりあえず、手術日が決まるまで、ヨウ化カリウムを食後3回服用することになる。

と、このような経緯なのですが、何人か、甲状腺の治療を受けたり、手術を受けている人にきいても、甲状腺で、手術をする人もいるけれど、発病してから何年しても直らない人がほとんどで、たった、3回の診断で手術なんて始めて聞いたという人ばかり。他にも治療法があるのではないか、また、甲状腺の数値が少し上がって再発しても、肝臓の数値を先に下げて落ち着いてから、もう一度、甲状腺の治療を行うことはできないのでしょうか。教えてください。よろしくお願いします。
回答:甲状腺科 教授 宮下 和也
甲状腺について、具体的な検査値の記載がないため、判断が極めて困難です。

具体的な検査値(TSH、 FT4、 FT3、 TSHレセプター抗体TRAb あるいは甲状腺刺激抗体TSAb、抗TPO抗体、抗サイログロブリン抗体)、および、甲状腺エコー検査で腫瘍の有無・血流の状態などを、詳しくお知らせください。肝機能についても、GTP(?)(GPTでしょうか、それとも、γ(ガンマ)-GTPでしょうか)のみでなく、それ以外の検査項目も、(正常値であっても)記載してください。また、出産後何ヶ月か、ということも重要な情報です。以上について記載の上、再度メールを送ってください。

現時点で気づいた点を、以下に書きます。 

> 1度目の受診(7/24)で、授乳中により、プロパジール6錠からはじめることになり、1ヵ月後に次の検診ということになりました。その時、GTP44と高めだけれど、バセドウ病の影響からかもしれないから、様子を見るといわれる。

初診時にバセドウ病の診断が確定することはあり得ません。大きな病院などでは、甲状腺機能検査(TSH、 FT4、 FT3)は2-3時間で検査結果がわかると思いますが、バセドウ病の診断に必要なTSHレセプター抗体TRAb あるいは甲状腺刺激抗体TSAbは、結果を得るのに3日以上かかります。

ですから、バセドウ病の疑いとまでは言えるかも知れませんが、疑いの段階では、抗甲状腺薬(プロパジール、メルカゾール)を投与してはならないのです。

授乳中とのことですので、(出産後何ヶ月かの記載がありませんので、はっきりしませんが)、出産後の一過性の甲状腺中毒症(=無痛性甲状腺炎)の可能性を疑う必要があります。

つまり、バセドウ病の診断自体が誤っている可能性も、疑われるのです。出産後の一過性の甲状腺中毒症(=無痛性甲状腺炎)は、バセドウ病と誤診されやすいので、注意が必要です。出産後の一過性の甲状腺中毒症に関しては、宮下クリニックのHPのトピックスをご覧ください。

さらに、28歳という年齢は、放射性ヨード RI (=アイソトープ) 治療 を選択しない理由には、なりません。授乳中であるために行なわない、というのであれば理解できますが、RI治療は、成人であれば、(妊娠・授乳・明らかな眼症がある場合を除いて)若い方にもお奨めの治療法です。「若いからRI治療は奨められない」と、本当に担当医が言ったとすれば、その医師は、甲状腺に関して、十分な経験・知識を有していない可能性があります。
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