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no.0000001775

自己免疫性肝炎、Weber-Christian病と診断されました。(その2)

相談: (男性)
ご多忙中、恐れ入ります。以前、Weber-Christian病に関して御相談申し上げた熊本の田中 貴俊です。込み入った病状をわかりやすく整理して頂いた上に、いくつもの暖かい御助言を受けることができ感謝しております。その後、主治医の3先生にフォローをお願いしています。

現在の問題点は先生に整理して頂いた様に考えられます。
1.WeberーChristian病及びその合併症皮下硬結(両側大腿内側の結節性紅斑)、レイノー現象(最近は気温も上昇したためか、滅多に 認められません)、関節痛(両上肢)、心筋炎(3ヶ月に1度の胸部X?p、ECG、心エコー検査と血液検査にてフォローされていますが、心機能は良好です。軽度の心電図異常は残存しています。βブロッカーのメインテート内服中です)、脂肪肝(これまでは、ステロイドの副作用と考えられていましたが、現在はWeberーChristian病自体の合併症と考えられています)

2.ステロイドの副作用
骨粗鬆症及び第1腰椎の圧迫骨折(リハビリの効果にて現在、杖つき歩行が可能です)、耐糖能異常(一時はインスリン皮下注を必要としていましたが、現在は正常化しています)、ステロイド・ミオパチー及び廃用性筋萎縮症(プレドニン減量とリハビリにて軽快しています)、白内障(肝機能の安定を待って手術予定です)

最近の検査データは、炎症マーカーでは白血球数正常、CRP陰性ですが、赤沈は高蛋白血症(高ガンマグロブリン血症)を反映してか40-60mm/1時間値と亢進しています。Ig-G:2500mg/dlで、抗核抗体:40倍、抗Sm-抗体、抗Scl-70抗体、抗Jo-1抗体はすべて陰性でした。

今回、お尋ねしたいことは、肝機能障害の原因と治療に関してです。

昨年1月、白内障の術前検査で指摘されたAST、ALTの上昇(250、300)に関して、当時はウイルス性肝炎、腫瘍性疾患、自己免疫性肝炎、薬剤性肝障害などが考えられました。ウイルス性肝炎ついては、HBV(ワクチンによりHBs抗体陽性)、HCV(PCR法により陰性)、CMV(既感染)、EBV(未感染)という結果でした。腫瘍性疾患については、エコー、CT及び腫瘍マーカーより否定的でした。

薬剤性肝炎については、DLST(心筋炎に対して服用していたメインテート、ノルバスク、タナトリルと関節痛に対して服用していたロキソニンについて、すべて陰性)より一応否定的。

結局、自己免疫性肝炎の暫定診断(肝生検未施行)にて、3月よりプレドニン40mg内服が開始されました。仕事を休職し、自宅安静も行いましたが、効果を認めませんでした。そこで、4月に入院の上、ステロイドパルス療法、G-I療法、最終的にはプレドニン60mg内服療法を行うも、すべて無効でした。5月に肝生検を目的として、済生会に入院しまた。生検の結果は脂肪肝でした。その後、腰椎の圧迫骨折や腸腰筋膿瘍のため安静臥床生活が続いた結果、特に肝臓に対する治療も行わずに、肝機能はAST、ALTそれぞれ40から60,80から100程度で安定していました。

 昨年12月より徐々に職場復帰を果たしてまいりましたが、この2、3ヶ月は肝機能は悪化傾向を示しています。この5月の検査ではAST、ALTがそれぞれ203、406IU/lでした。仕事はデスクワークですが、全身倦怠感もあり仕事量を減らしています

そこで、御質問ですが、

1.肝機能障害の原因としては、脂肪肝が最も考えられるのでしょうか。現在、身長170cm、体重60kgで肥満はありません、体脂肪率は15%とむ 
しろ低めです。総コレステロールは150-200mg/dl、中性脂肪は140-180mg/dlですが、HDLーコレステロールは20mg/dl台と低めです。通常の脂肪肝の発症機序とは異なるようですが、WeberーChristian病による脂肪肝はこの程度のAST、ALT上昇を伴うのでしょうか。それとも他に肝機能障害の原因が考えられるのでしょうか?

2.プレドニンは減量の方針で、現在2.5mgの連日投与中です。血清コルチゾールは3-8μg/dlです。確かに昨年はステロイドの大量投与でも肝機能は改善されませんでした。実際、肝生検でも炎症細胞浸潤を認めないことより、抗炎症効果が得られなかったと考えらています。現在、地元の病院に毎日行って、強力ネオミノファーゲンCの静注を受けています。内服はウルソ100を3錠/日、EPLを3カプセル/日服用しています。昨年は小柴胡湯やグリチロンの内服も試してみました。このまま安静+上記の薬剤投与で経過をみていてもよろしいのでしょうか。他に治療方法が考えられるのでしょうか?

今回もわかりにくく、かつ長文メールで申し訳ありませんが、アドバイスよろしくお願い申し上げます。
回答:リウマチ膠原病科 教授 後藤 眞
随分よくなられたようで、よかったですね。脂肪肝でもこの程度の肝機能異常は珍しくありません。脂肪肝の原因として、

1)ステロイドによるコレステロール代謝異常に起因する。
2)ステロイドによる肝細胞の酵素活性化の誘導による。いずれもステロイドを減量(本当は徐々に中止)すれば改善します。
3)薬剤性肝障害:胆嚢に小さな砂や胆石がクリノリルという抗炎症剤と骨粗鬆症の治療のためのカルシウム剤などで起きることがあります(数年前我々が発見したのですが、あまり知られていません)これはエコーなどでわかります。

もしそうならば、抗炎症剤をべつのものに変える。そうでなくても、絶対必要な薬剤以外は、まずすべて1ヶ月くらい中止してみるのがよいと思います。それでも肝機能の改善が見られなければ、Werber-Christian病そのものの病状と思われます(しかし、治療や肝生検の結果からは可能性は低い)。早めの夏休みをとって、1-2ヶ月、のんびりすることができるようですとかなり改善すると思います。
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