夫41歳の通風についてご相談します。夫は20代に通風を発症し、以来、時々発作を起こしています。一時は数ヶ月おきに発作を起こすこともあったのですが、ここ数年はかなりまれとなり、また、発作が起こりそうになっても初期にコルヒチンを飲むことによって回避してきました。先日の健康診断でも、尿酸値はそれほど高くないと言われました。
ところが、最近、また発作の頻度が高くなりつつあります。しかも、痛みの出る場所が親指とか足首といった関節ではなく、ももだったり、ふくらはぎだったりで、初めは筋肉痛かと思い、対処に遅れたこともありました。
酒は一滴も飲みません。肉も(脂身が大好きですが)時々しか取らず、発芽玄米食、野菜スープを取るなど、食事には注意しています。甘いものが好きで、これはなかなか減らせません(身長174、体重84)。痛みの出る場所が関節から筋肉?に移動したことをどうとらえたらよいのでしょうか。今後、どのような対処をしたらよいのでしょうか。よろしく御願いします。
何十年間にもわたる痛風で、その間、適切な尿酸コントロール治療をお受けになっていないようです。健診では尿酸値はそれほど高くないとのことですが、血中尿酸値は結構変動するものですし、これだけ長年痛風発作を繰り返しているケースですと尿酸合成亢進や尿酸排泄障害などによる高尿酸血症が続いていることは間違いありません。
関節以外の部分の痛みが痛風と関係があるかは、実際に診察していませんので明確なお答えをすることは困難です。しかし、長期間の痛風では、発作が起きる場所はほぼ全身(脊椎は除いて)に及びます。関節の変形や痛風結節(関節周囲や耳たぶなどに出来る尿酸塩結晶の瘤です)などにより関節運動の障害などを起こすこともあれます。また、腎尿酸結石などによる腎機能障害から痛風腎と呼ばれる腎不全を起こすほか動脈硬化を進展させ心筋梗塞の危険因子としても報告されています。いずれにしても、痛風発作時だけの対症的治療から尿酸コントロールを中心とした治療に移られる必要を強く感じます。
痛風における食事など生活習慣の関わりは、2〜3割程度と一般に考えられているよりかなり低いのです。食事療法が不必要と言うことではありませんが、食事療法だけでは痛風を治すことは不可能です。できれば、高尿酸血症の原因を調べる検査をお受け頂いて、それに合わせた尿酸コントロールを受けられるようお勧め致します。
両国東口クリニックのホームページ上に尿酸コントロールのための検査や治療の開設が掲載されていますのでご一読頂ければ幸いです。
両国東口クリニックのホームページ http://www.higasiguti.jp◆痛風・高尿酸血症に対する食事療法の基本的な考え方を説明致します。
以前より、痛風(および高尿酸血症)には、プリン体制限食(プリン体というのは尿酸のものになる物質です)が取り入られてきました。 しかし、最近の研究の進展により、高尿酸血症の成因に外因性のプリン体の影響は少ないため、いわゆるプリン体制限食は重要視されなくなってきました(プリン体の制限が全く必要ないと言うわけではありません)。 これと対照的に、過剰なアルコール飲料の摂取や、果糖摂取、ストレス、激しい筋肉労働が高尿酸血症の外的要因として作用していることが明らかにされているため、摂取エネルギーおよびアルコール飲料の制限が痛風の食事療法の基本となってきました。
一般的に大豆などの豆類を除いた野菜類は、たくさん食べても良いと思います。納豆や1日に小さめのものを1パック程度、豆腐も半丁程度はかまいません。ご飯も食べ過ぎによるカロリー摂取過剰に注意すれば、プリン体含有量としてはあまり気にすることはないでしょう。
食べてはいけないもの(出来るだけ控える)と して、肉類、魚類の内蔵(レバー、丸干し等)、エビなどがあげられます。肉や鰹節、煮干しなどでとったスープにもプリン体が多く含まれますのでラーメンのスープも飲み干さない方が良いと思います。また、肉類(牛、豚、鶏肉はプリン体含有量について殆ど差はありません)やアジやサンマなどの干物類、イワシ、イカ、タコ、サンマ、カツオ、牡蠣などは食べ過ぎない方が良いでしょう。
しかし、現在痛風には、このような食べ物の内容による影響は、2割程度で、過剰なアルコール飲料の摂取や、果糖摂取(菓子類、炭酸飲料、砂糖など)、ストレス、激しい筋肉労働が外的要因として作用していることが明らかとなったため、摂取エネルギーおよびアルコール飲料の制限が痛風の食事療法の基本となっています。
以下の5点に注意して食事療法を続けて下さい。
1.1日の摂取エネルギーを守る。
2.各栄養素のバランスのよう食事をとる。
3.水分を十分取る。
4.塩分を取りすぎないようにする。
5.アルコール飲料は適量を守る。
特にビールはプリン体の含有量が多いためなるべくさけて、焼酎やウイスキーなどを飲むように(但し、量が多いと尿酸値があがりますので、焼酎で1日1,2合、ウイスキーで1日水割り2杯程度として下さい)したほうが良いでしょう。調理方法については、特に制限や指定はありません。一般的に、乾物類(干物や鰹節、煮干し、干し椎茸など)は、プリン体が高いという報告が多いので注意して下さい。
更に詳しくは両国東口クリニック栄養科のホームページに掲載されていますのでご一読下さい。
両国東口クリニックのホームページ http://www.higasiguti.jp