相談:
(28歳 女性)
外傷性気胸について相談です。9月下旬父は、のどに何かがつっかかる違和感を感じ病院へいったところ喉頭がんの恐れがあるが、検査手術をしないと分からないといわれました。
しかし手術はメスをいれるので(先生はしきりにすすめてきました)何か他の検査方法は無いかと自ら調べた所、外傷を与えない「PET検査」を見つけ、それを先生に提示したところ了解を得て「ありますよ。いいですよ。」と無事その検査を終えました。
しかしながら、疑いのあった喉ではなく肺に黒いものがあり、癌の可能性もある、と言われ、今度こそ、肺の組織をとる手術をしなくては駄目だ、といわれすることになりました。(TBLB検査)
しかし術後、組織をとる際に外傷を与えてしまい気胸になってしまったと担当医から言われ、検査入院する前日より元気のなくなった父をみてびっくりしてしまいました。一度自宅に帰宅したのですが、夜に先生から電話があり、明日再度入院とのこと。
どうも、家族としては納得いきません。喉頭がんの疑いがあるときも、なるべく外傷をあたえない他のやり方を望んでいるのを先生はご存知だったのにも関わらず、別の検査手段(PET)がある旨をこちらが調べないといって下さらなかったことに、少し医師に対する信頼を失っておりましたし。
さらに今回、肺がんかどうか検査をするために組織をとる簡単な手術、と聞かされていたのになんと、外傷まで与えられて穴があき気胸になってしまいました。
この状況はよくある事なのでしょうか?父は大丈夫でしょうか?もし、ミスである場合、ミスを証明するために聞いておいた方がよいこと、とっておいた方がよいことをお教えいただけますでしょうか。他の病院へ行ったほうが良いでしょうか。この先生になおしていただいた方が良いのでしょうか。大変恐れ入りますが、何卒アドバイスをいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
メールを拝読しました。お父様のこと、ご心配だと思います。メールのみの情報ですので、あくまで一般論としてお考え下さい。まず、PET検査については、保険診療で行える範囲がわかりにくい面もあり場合によっては、自費になるケースもあるためにルーチンで調べる検査になっていないのが、現状だと思います。
結果的に撮影できたとのことなので、今回の判断は、不適切だったと考えることもできますが、そのあたりの事情があることも、ご勘案いただければ、というのが、主治医の先生のお気持ちではないでしょうか?
あと、肺の腫瘍に対して、TBLBは、確定診断を行うために欠かせない検査です。肺の一部を内視鏡下に採取してくる検査ですが、肺の表面に近い部分に腫瘍がある場合、気胸を起こすことはある一定の確率で認められます。検査の前に説明があり、おそらく、検査承諾書を書いておられると思いますが、その辺で「気胸」の可能性についてはお話しがなかったでしょうか?(一般には、検査によって認められる気胸は、「医原性気胸」ということが多いと思います)
「がん」かも知れないと言われたときには、誰しも大きなショックを受けますし、生死に向かい合う大変なストレスが始まります。また近年では、マスコミの報道だけでなく、インターネットを介して医療に関わる情報が氾濫しており、患者さんやそのご家族にとって、何かと、混乱する条件がそろっているとも言えます。
しかし、患者さんのことを最もよくご存じなのは、診察をし、検査をしている主治医です。主治医の先生に、虚心坦懐に、不安なこと分からないことをお聞きになっていくことが大切だと思います。疑心暗鬼を最も避けるべきですし、あと、「事実と憶測をよく見極めること」も大切です。昨今、医療に関わる様々な報道は、時としてセンセーショナルに取り上げられます。誰しも、明日医療事故の被害者になるかも知れない、という不安を持つような論調で、私自身でも実際に治療を受けるとき(行うときではなく)に不安を覚えることすらあります。医師は、懸命に、患者さんの治療をよりよいものにするために自己研鑽を積み、毎日の診療に取り組んでいます。マスコミで取り上げられるのは、(どんな職種でもそうですが)ごく一部の例であると思いますし、そう信じたいと思います。
是非、主治医の先生に面談を申し込んで、じっくりとお話しをされることをオススメします。ご参考になれば幸いです。お大事になさって下さい。