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右前脛骨筋 筋ヘルニアの筋膜移植術を受けようと思っています。

相談: (30歳 女性)
右前脛骨筋 筋ヘルニアの筋膜移植術を受けようと思ってるのですが、このことについて質問いたします。私は二年前に交通事故で右下腿の開放骨折をしました。開放創は膝蓋骨下縁から下腿下1/3まで、全周の2/3に及び、この範囲の肉がベローンと剥がれぶらさがり、骨膜、筋膜がむき出しの状態となりました。この時、前脛骨筋の筋膜も2ヶ所損傷を受けました。同日、創の汚染がひどかったため、デブリードマンを受け創を閉じましたがこの際、筋膜の損傷は筋肉の壊死の恐れがあったため縫合できなかったとのことでした。それから10日後、骨折部の骨接合術を受け、flap状になった皮膚が壊死したため植皮術を受けました。

2年経った今現在、植皮の創縁部の肥厚性瘢痕や裂創の傷痕も落ち着いてきましたが、筋ヘルニアによる筋肉の膨隆がとても気になり受け入れることができません。また、運動時に損傷端が痛みもします。この外観について2年間悩んだ結果、大腿部からの筋膜移植を受けようと思っています。そこで、このことに関連する質問をいくつかさせていただきたくメールいたしました。

まず、前脛骨筋の損傷の状態なのですが、1ヶ所目は脛骨と筋肉の境目あたりに長さ8cmくらいの損傷と、その損傷と平行に5mmくらい間隔をおいてもう1ヶ所の損傷があり(これも長さは8cmくらい)、位置は下腿中央のあたりで脛骨に平行に2本並んでの損傷となっております。この2ヶ所から出る筋肉の膨隆によってちょうど下腿中央の前面にお尻のような形がボヨっと現れます。

以下が質問ですのでご意見よろしくお願いいたします。
1.筋膜移植によって筋ヘルニアはどの程度改善されるものなのでしょうか?外観上、筋肉の膨隆が認められないほどになるものなのでしょうか?

2.植皮術はよく耳にしますが、筋膜移植術とはメジャーな手術なのでしょうか?

3.大腿部には大腿四頭筋や大腿二頭筋、内転筋、外転筋等のいくつかの筋肉があるようですが、どの筋肉から取ってもらうのがベストなのでしょうか?今後もスポーツ(テニス、スキー、ウォーキング)は続けていきたいので影響の少ない筋肉からお願いしたいと思っているのですが。

4.移植先とドナー側の筋膜の縫合ヶ所が運動によって裂けてしまうということはありえるのでしょうか?皮膚は一度くっついたところが裂けるということはありえないのはわかるのですが、筋膜の瘢痕形成というイメージがつかめないものですから。そもそも筋膜とは瘢痕形成により組織はくっつくものなのでしょうか?それとも縫合糸でつなぎとめられているにすぎないものなのでしょうか?筋膜は血流がある組織なのでしょうか?

5.リザベンの服用によって筋膜の瘢痕形成に悪影響を及ぼさないでしょうか?以前、植皮術を受けた際に創縁が肥厚性瘢痕となったためリザベンを服用しました。筋膜移植をするとした場合、大腿部と下腿部の傷の肥厚性瘢痕を予防するためにも術前2週間前からのリザベンの服用をすすめられましたが、筋膜縫合箇所の瘢痕形成に影響がないのか心配です。リザベンの効用は繊維芽細胞の増殖やコラーゲンの合成の抑制により肥厚性瘢痕を予防するとありますが、もし筋膜が瘢痕形成によってくっつくのであればこの筋膜組織をくっつける物質の増殖や合成までも抑制したりはしないかと心配です。これにより筋膜の縫合箇所の結合力が弱くなる恐れはないのでしょうか?

この手術を受けて筋肉の膨隆がある程度目立たなくなるのであれば、また外観上の下腿の形がもとの形に近づくならば、傷はパンストやお化粧で隠せますのでスカートがはけるかなぁなどと少し期待しています。

大変長くなってしまいましたが、上記のことがわからないため不安です。お忙しいところ誠に恐縮ですが、参考ご意見よろしくお願いいたします。
回答:外傷科 教授 土井 秀明
以前にもご相談いただいておりますね。

1.筋膜移植によって筋ヘルニアはどの程度改善されるものなのでしょうか?
うまくいけばほとんどわからなくなるでしょう。ただ、問題になるのは筋ヘルニアの範囲と採取できる筋膜の大きさがうまく合致するかどうかです。

2.植皮術はよく耳にしますが、筋膜移植術とはメジャーな手術なのでしょうか?
筋ヘルニアに対する筋膜移植とうのはメジャーではありませんが、おなかのヘルニア(腹壁ヘルニア)では非常によく使われる手法です。かの逸見アナウンサーも胃ガンの手術で欠損した腹壁を筋膜で塞いだと聞いています。

3.大腿部には大腿四頭筋や大腿二頭筋、内転筋、外転筋等のいくつかの筋肉があるようですが、どの筋肉から取ってもらうのがベストなのでしょうか?
これは個々の筋肉の発達や採取する筋膜の大きさなどいろいろな条件が関与しますので、手術をなさる先生とよくご相談なさってください。

4.移植先とドナー側の筋膜の縫合ヶ所が運動によって裂けてしまうということはありえるのでしょうか?
筋膜を構成する成分の代表はコラーゲン線維です。瘢痕の主成分もやはりコラーゲン線維です。ですから、混ざり合ったようにくっついてしまいます。傷跡の手術の時など、筋膜と瘢痕の境目がわからなくて苦労するぐらいです。血流は微細な血流があります。血流がない組織はあり得ないと言えます。

5.リザベンの服用によって筋膜の瘢痕形成に悪影響を及ぼさないでしょうか?
リザベンにそこまでの力はありませんから、長い目で見れば私も使うことをお勧めします。もし、そこまでの効果があるなら皮膚を縫った傷も治らなくなりますから。
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